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第10回 価値観 [青年期]

 前回はコミュニケーションの大切さについて書きましたが、コミュケーションをとるのが大変難しい相手もいます。同じ言語を話しているはずなのに、お互いのことばが理解できないというケースは、特に社会に出てからいろいろな場面で体験することになると思います。離婚の理由に「性格の不一致」というものがありますが、どんな人間だって性格が一致するはずがないと、僕は子どものころからおかしな言葉だなあと感じていました。
 僕は、これを「価値観の不一致」という言い方に変えればわかりやすいのではないかと思っています。価値観が違い過ぎると、会話も全くかみ合わなくなるのだと思うのです。僕にとって教師の仕事は大切なものではあるけれども、一番ではありません。それよりも阪神タイガースの応援、大相撲の観戦、SFやミステリなどの小説を読むこと、漫画やアニメ、クラシック音楽を聴くこと、落語や漫才を楽しむこと……それらは、仕事第一の人から見たら「趣味」という言葉で片付けられてしまうのでしょうが、僕にとっては血であり肉であり人生を形作るうえでなくてはならないものです。
 何より大切なのは、妻、そしてものを書くことです。僕は25年近くインターネットにウェブ日記(現在はブログ)を毎日のようにアップし続けています。パソコンとネットがつながりにくくなったときは、スマートフォンで更新しています。体調不良で仕事を休んでも、ブログの更新だけは忘れません。自分が何かしらものを書き、それを誰かに読んでもらうことは、僕にとって呼吸することと同じくらいの価値のあることなのです。そして、妻は僕のブログを毎日読んでくれています。誤字があったり、わかりにくい書き方だったりしたら、それを伝えてくれます。
 妻と結婚してから25年たちました。子どもはいませんが、好きなものがかなり重なっていて、僕が読んだ本で面白そうだと妻が感じたものは、必ず貸してほしいと言ってきます。僕が「積ん読」している本の背表紙を見て、どれもおもしろそうだといいます。好きな音楽や歌手も重なっていますし、古典芸能への関心も同様です。
 つまり、僕と妻との価値観は多くが一致しているということです。僕は妻とよく話をします。ほかの方に聞くと、家で夫婦の間にほとんど会話がないということがけっこう多く、僕は驚いてしまいますが、僕は妻と好きなもののことや仕事の悩みなどを話していると言うと、逆に驚かれたりすることもあるのです。
 自分ならではの価値観を作るということは、生きていくうえでとても大切なことだと思っています。そして、自分にとって何が大切かは、青年期までにだいたい決まると言っても言い過ぎではありません。青年期は価値観を育む時期でもあるのです。それは自分の生き方を左右するものになることでもあるのです。

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