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第1回 「倫理」ってなんだ(1) [はじめに]

 これから高校の公民科の「倫理」という科目について、いろいろと書いていこうと思います。
 僕は高校の「倫理」の教師です。僕の勤務している学校では、一応「倫理」という科目を選択できるようにはなっていますが、選択する生徒がとても少なく、毎年開講できていません。仕方がないので、日本史を教えたり、「総合的な探求」を担当したりしています。
 でも、一番の得意技を封じられている状態なので、教えたくても教えられないというジレンマをいつも抱えています。
 学校によっては「倫理」の授業はあるのに、専門の教員がいなくて、政治経済が専門の先生や、地理や歴史が専門の先生が教えているという現状があったりします。なんだか矛盾しているようにも思いますが、大人の世界には往々にしてそういうことは起こります。営業向きでないけれど、営業職に配属される人もいれば、販売をさせたら好成績をあげられる人が経理を担当することだってあるわけです。
 このブログは、そういう授業ができないジレンマを解消したいと思って立ち上げました。入試に利用したい人もいるでしょうし、「倫理」という科目の内容を学びたいという人もいるでしょう。
 僕はこのブログを参考書みたいなものにする気はありません。でも、そういうものを求めている人にも読んでもらいたいと思っていますし、役に立つと思うのです。
 
 では、見出しにもあげましたが、「倫理」とはいったい何なんでしょう。
 一応、公民科の科目として、「現代社会」と「政治経済」、そして「倫理」という科目が設定されています。「政治経済」は中学校社会科の「公民的分野」をくわしくしたもので、「現代社会」は「政治経済」と「倫理」の基本的な内容を組み合わせたものになっています。
 このうち「現代社会」は「公共」と名を変え、「倫理」に中学校の「道徳」を合わせた内容のものと「政治経済」を組み合わせたものになる予定ですが、「現代社会」とそう大きくかけ離れたものではないようです。
 問題なのは、「政治経済」と「倫理」の扱う内容にはほとんど関連性がないのに、いっしょくたにして「公民科」という教科にしてしまっていること、そして「地理」「世界史」「日本史」などの「地歴科」とあわせて「社会科」という形でまとめてしまっていることです。
 そのことが、「倫理」という科目の性格を見えにくくしてしまっていると、僕は思っています。
 では「倫理」とは何を学ぶ科目なのか。それは次回で考えることにいたしましょう。

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